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その時は突然やってきます。
今回は冷却水漏れをおこしたCB1300SFのラジエーターを、エポキシ系接着剤「JBウェルド」を使い自分で応急修理してみました。
クーラント液(冷却水)を循環させて放熱するラジエーターは、水冷式エンジンをオーバーヒートなどのトラブルから守る重要な役割を担っています。
バイクのエンジン
現在ほとんどのバイクに搭載されているレシプロエンジンは、燃焼室でガソリン混合気が爆発するエネルギーを動力に変換するシステムです。
圧縮と燃焼を繰り返すシリンダーで発生する熱量は膨大で、エンジンはバイクを守る放熱方式の違いによって分類することができます。
エンジンの種類
バイクのエンジンは空冷式・水冷式・油冷式の3種類に分類することができ、現在もっとも一般的なのはラジエーターを搭載した水冷エンジンです。
空冷エンジン
走行中に直接受ける向かい風や、エンジン周りの空気そのもので発生した熱を逃すよう設計されたのがもっとも歴史が古い空冷エンジンです。
シリンダーの放熱フィンと呼ばれる大きな凹凸形状が空冷エンジンの特徴で、この大気と接する面積を増やす工夫がビジュアル面の魅力にもなっています。
排ガス・騒音規制により時代と共に減りゆく空冷エンジンですが、メンテナンス性の良さと味のあるそのデザインから人気が衰えることはないでしょう。
水冷エンジン
ラジエーターとエンジン内部に冷却水を循環させることで熱交換し、走行風が当たる車体の前面にラジエーターコアを設置することでより効率良く放熱します。
サーモスタッドで温度管理された冷却水はウォーターポンプでラジエーターに送られ、クーリングファンによる強制空冷装置の併用も一般的です。
水冷エンジンは基本的にシリンダーに放熱フィンがなく、今回ラジエーター修理をしたCB1300SFは水冷でありながらフィン備わる珍しいタイプです。
油冷エンジン
油冷エンジンは水冷のラジエーターとは呼び名が異なり、オイルクーラーと呼ばれる放熱装置でエンジンオイルを冷却して温度管理をするのが特徴です。
油冷エンジンを搭載した車両は稀ですが、近年でも油冷に強いスズキからジクサー250/SF250など新たな油冷方式を採用した新型車が発売されています。
かつて空冷エンジン人気車種にも専用の後付けオイルクーラーキットが販売されており、夏場の熱ダレ対策とビジュアル面において人気のカスタムでした。
水冷エンジンのラジエーター
ラジエーター(radiator)は様々なジャンルで使われている言葉ですが、主に高温によって不具合が生じやすい機械をクールダウンさせる放熱装置の総称です。

油冷エンジンのオイルクーラーも放熱器と言えますが、一般的には水冷エンジンの車両に搭載するクーラント循環タイプがラジエーターと呼ばれています。
冷却水(液)・クーラント
水冷エンジンのラジエーターに欠かせないのが、冷却装置内を循環する冷却水(クーラント)です。

エンジンの熱を吸収した冷却水をラジエーターコアで冷やし、またエンジンに送るというループでエンジンの最適温度を保ちます。
冷却水はエンジンオイル漏れなどと区別しやすいよう赤や緑など着色されているのが特徴で、真冬でも凍結しないため不凍液とも呼ばれています。
ラジエーターメンテナンス
基本的に露出しているラジエーターコアは非常に汚れやすく、放熱性能が低下しないよう定期的に洗浄するなどメンテナンスが必要です。
ラジエーターコアの洗浄清掃
ラジエーターに水をかけ、洗剤やフィンクリーナーを使って柔らかい刷毛で優しく洗います。

硬いブラシや強すぎるエアーダスターを使うと、薄く柔らかいフィンが曲がってしまうので注意です。
小石などの異物を撤去
長年使用したラジエーターフィンの間には、汚れ以外にも小石など無数のゴミが挟まっています。

今回は冷却水漏れの修理が目的ですので、冷却水を抜きラジエーターを外して清掃します。
ラチェットでクーリングファンも外します。

前面よりは比較的綺麗な裏面も洗浄し、フィンの間に詰まった異物をクジリ(千枚通し)などを使って全て撤去します。
コルゲート(放熱)フィンの矯正
コルゲート(corrugate)は「波型」の意味があり、放熱と冷却水が通るチューブを補強する効果もあるこの形状は多くのジャンルで採用されています。

車両の全面に設置されるラジエーターのフィンは、ラジエーターガードをすり抜けた跳石や昆虫などの衝突によってあちこち歪んでいます。
ラジエーターフィン ストレーナー
非常に薄くて柔らかいコルゲートフィンを、歪みを直しながら等間隔にに整えるのは至難の技です。
この際ですので放熱フィンの歪みを矯正する専用工具、ラジエーターフィンストレーナーで可能な限り修理しておくことにしました。
櫛のような形状のラジエーターストレーナーを複数のフィンへ同時に差し込み、幅を等間隔に整えます。6種類のフィン幅に対応可能で、今回は2.0㎜ピッチが丁度合いました。
根気のいる作業
先のギザギザがなく尖ったピンセットを使ってある程度フィンを整えた後、ラジエーターフィンストレーナーを差し込み整えます。
なかなか根気と集中力が必要な作業です。
より繊細な動きがしやすいように、ストレーナーのハンドルを外して使いました。

フィンの矯正をしながら懐中電灯を当てて虫眼鏡でチェックしましたが、目視では漏水箇所を発見することができませんでした。
ラジエーターの漏水チェック
最初に冷却水が漏れ出す場所をピンポイントで見つけなければ、最小限の確実な修理ができません。
一通り清掃とフィンの矯正が終わった後、ラジエーターをバイクに取り付けエンジンをかけます。
冷却水漏れ箇所を特定
エンジンを始動しフロントフォークの間から覗き込むこと数分、放熱フィンの間からクーラントが漏れ出す箇所を特定することができました。

冷却水が広がると箇所がわからなくなってしまうので、目印にマスキングテープを貼っておきます。
「JBウェルド」で冷却水漏れ修理
CB1300SF(SC40)のラジエーターコアはすでに廃番、純正品で交換するには中古しかありません。
ネットで新品の互換性がある社外ラジエーターを見つけて注文しましたが、いざという時に備えて純正品も修理しておきたいと思います。
今回の修理方法
フィンを挟んで平行に並んでいるのが冷却水が通るチューブで、奥に長い扁平形状をしています。
おそらく特定した漏水箇所の上か下のチューブに穴が空いている考えられます。
特定した漏水箇所の放熱フィンを一部撤去して、上下のパイプ間をエポキシ接着剤で埋め固めるのが今回の修理方法です。
JBウェルドのオートウェルド
今回クーラント漏れ修理に使用したのは、バイク補修アイテムとして定評のある2液性エポキシ接着剤JBウェルドのオートウェルドです。
他にも速乾性のBクイックウェルドやパテタイプのなどもありますが、慌てず作業できる硬化に数時間かかるオートウェルドを購入しました。
漏水箇所周辺のフィンを撤去
まずは上下のパイプ間にエポキシ接着剤が充填できるように、目印周辺の放熱フィンをちぎり取っていきます。

微細な放熱フィンの接合部は、ピンセットで挟む力でも簡単にちぎれます。

正面で1センチ程度、裏側は広く4センチ程度の放熱フィンをむしり取りました。
ヤスリとペーパーで目荒らし
「JBウェルド」がいかに堅固に硬化しようとも、チューブとの密着が甘く接着面がわずかでも断裂すれば水は滲み出してしまいます。

フィン撤去跡のチューブにしっかりエポキシが食いつくよう、小さな金ヤスリとサンドペーパーで目荒らししておきます。
ここでもやはり目視では漏水箇所は分かりませんでした。
余計な油分を脱脂
余計な油分や汚れも接着面には厳禁です。
ロックペイントの脱脂剤「プレソル」をスプレーし、ウエスでしっかり拭き取っておきます。
JBウェルドを漏水部に充填
JBウェルドのチューブ2種類から白と黒の二液をほぼ等分量しぼり出し、ムラのないグレー色になるまで練り合わせます。

周りにエポキシが付かないようにマスキングテープを貼り、隙間なくたっぷり充填します。

あまり押さえすぎると反対側から出てくるので、最後は程々の力加減で仕上げます。

あとは一定時間放置して十分に乾燥させれば、修理はとりあえず完了です。
ラジエーターガードの塗装
ラジエーターガードもスチールウールやサンドペーパーで錆を取り、ラジエーターコアと一緒に洗浄しておきました。

周りを養生して細かい錆をワイヤーブラシで落とし、プレソルで脱脂、ミッチャクロンを軽く吹いた後、家にあったラッカーで仕上げました。

ラッカースプレーは安価でお手軽ですが、塗膜が薄いので一気に吹かず、何回かに分けて仕上げていきます。
ラジエーターを組み付けて完了
JBウェルドが完全乾燥後、再度ラジエーターを組み付け、冷却水を注いで完了です。

あとがき
修理後注文していた新品ラジエーターが届くまで170㎞ほど走行しましたが、クーラントが漏れることはありませんでした。(ナイスです!)

新品ラジエーターと交換する際に更なる補強として、アルミ切り板をJBウェルドを使いチューブをまたぐ形で貼り付けておきました。

とりあえずこの状態で、有事の際に備えて保管しておきたいと思います。
