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在来工法の浴室(お風呂場)とは
在来工法(木造軸組工法)とは“家の建て方”を表す呼び名の一つで、古くから日本の戸建住宅で最も多く採用されてきた工法です。
昭和の在来工法のお風呂場は、基礎にブロックを使用したものも多く、柱にバラ板を張り、防水紙を貼った上にモルタルとタイルで仕上げる壁がほとんどでした。
天井もモルタルや樹脂パネルで仕上げ、床もタイル、浴槽の素材はホーローやステンレスが多く採用されていました。
在来工法の浴室とユニットバス 入口様式の違い
時代と共にお風呂場入口のスタイルも変わり、かつては在来工法の浴室ドアが主流であった入口も、現在ではユニットバスの折れ戸が主流になっています。
ユニットバスの折れ戸
現代のお風呂場は木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造を問わず、ユニットバスと呼ばれるシステム化された浴室が主流になっています。
ユニットバスの折れ戸にはガラスではなくアクリルが採用されており、有事の際には折れ戸自体を脱衣場側から取り外しができるなど安全面の配慮や、樹脂で軽量化されているのも特長です。
ユニットバスは入り口が折れ戸になっているタイプが基本ですが、注文時に各住宅設備機器メーカーからオプションで用意されているドアに変えることも可能です。
在来工法のアルミドア修理
昔の在来工法のお風呂場や勝手口には、シンプルなアルミ製のドアにドアノブ(握り玉)を採用している銀色の出入口が多く見られました。
現在でも使用されているアルミドアは高い耐久性を誇りますが、年数が経つにつれハンドルが固くなったり、ラッチと呼ばれる戸枠にかかる部分の戻りが悪くなってくる症状が出る場合がよくあります。
アルミドアを交換する場合、枠ごとセットで取り替えるのが基本ですが、在来浴室や勝手口ではタイルやモルタルがサッシ枠に被って仕上げられていることが多い為、簡単に取り替えはできず周辺補修にかかる費用も割高です。
カバー工法で既存枠に新たな枠を被せて建具を新品にする方法もありますが、アルミドアと枠はそのままに、握り玉やレバーハンドルだけ交換する費用をおさえた修理方法も一般的です。
在来浴室ドアのインテグラル錠レバーハンドル
今回お伺いしたお家は在来工法のお風呂場で、浴室ドアの開閉に長らく不安を感じながら使用を続けていたようです。
ドアノブやレバーハンドルと連動して動くラッチと呼ばれる部分の不具合から、閉じ込められるのを心配されてのご依頼でした。
錆びついた浴室ドアの取手:握り玉×レバーハンドル
現況浴室ドアの取手内部(鍵ケース)の構造は、インテグラル錠と呼ばれるタイプです。
洗面脱衣場側がアルミ製のドアノブ(握り玉)で、浴室側に樹脂製のレバーハンドルを採用しています。
一見まだまだ使えるようにも思いますが、やはり動きがスムーズではありません。
本体ケース付近で錆(サビ)が発生しているようで、樹脂ハンドルにも劣化が見て取れます。
戸先のラッチ周りのフロントプレートが青いのは、新品時の養生(保護シート)をはがしていない為です。
信頼の鍵メーカー GOAL(ゴール)
現在も現況と同じGOAL(ゴール)というメーカーの同等品が販売されていました。
今回の交換は別メーカーの物を購入しましたが、GOALは「ドアノブといえばGOAL」と言っても過言ではないほどの、全国に支店や営業所を持つ老舗の有名な鍵と錠の専門メーカーです。
新しい浴室用の樹脂製レバーハンドルセット
今回の交換を機に「洗面室側と浴室側を両方レバーハンドルにしたい」とのご要望で、今回は水に強い比較的安価な樹脂製の交換に適したレバーハンドルを用意しました。
キッチンや洗面化粧台の水栓に関しても、シルバーのメッキより樹脂製のほうがコストパフォーマンスに優れています。
【インテグラルレバー 潔KIYOSHI】
・製造元:株式会社アルファ
・販売元:マツ六株式会社
浴室内からツマミを回してロックすることができ、洗面室側からコインなどで解除可能です。
ホームセンターにも並ぶ商品ですが、ネットでも安く購入できます。
浴室用樹脂レバーハンドルのDIY取替え手順
古いレバーハンドルと錆びた座金の取り外し
ハンドル取替作業の開始です。
インテグラル錠と呼ばれるこのタイプは、ドアを開いた状態で室内側から作業します。
順序として、まず室内側レバーハンドルのベース部分を反時計回りにまわせば、ハンドルを芯ごと抜き取ることができます。
本来なら簡単に外せるベースカバーですが、座金が錆びつき固着して回らず、ハンドルだけが先に取れました。
やむなくマイナスドライバーでベースの隙間をこじた後、プライヤー(ペンチのようなもの)で挟んで半ば強引に外しました。
内部は結構な腐食の進み具合でした。
あとは現れたプラスネジを2本回して抜けば、洗面室側のドアノブも丸ごと取り外すことができます。
古いドアノブと錠ケースの取り外し
ドアノブを抜き取り、戸先(建具小口)のフロントプレート・錠ケースのネジを外せばケースは簡単に抜き取ることができます。
※新しいレバーハンドルセットに付属しているネジが、アルミドアのタップ径(ネジの穴の大きさ)に合わない場合は再利用するので、外したネジ関係は作業完了まで捨てずに置いておきましょう。
新しい錠ケースの取り付け
新しいレバーハンドルの取り付けは、まず錠ケースをラッチの向きに気をつけてアルミドアの横框(桟)に差し込みます。
錠ケースのネジ穴はどのタイプでも交換しやすいように、様々な規格寸法に対応できるよう配慮されて作られています。
錠ケースのネジ固定は余計な負担がかからないように、まずは仮止め程度にしておき、ハンドルを差し込み動きの具合を見ながら本締めします。
外す時はいいですが、取り付けの時は電動ドライバーなどは使わず、手回しのドライバーで加減しながら慎重に締め付けることをお勧めします。
新しい樹脂レバーハンドルの取り付け
錠ケースの位置をしっかり決めたら、レバーハンドルのネジを左右2本固定します。
レバーハンドル真下のネジは締めにくいですが、レバーを上に持ち上げて締めるようにします。
レバーを下げても締めることができますが、よく見える上側に傷がつくと目立つのでレバーの下で締めるのがおすすめです。
樹脂レバーのネジは締め付けすぎると樹脂が破損する恐れがあるので、加減しながら左右のバランスを見て交互にしっかりと止め付けます。
今回レバーハンドル用のネジが長さ違いで2セット同梱されていましたが、ドアの厚みを測って必要な方だけ使用します。
フロントプレートの取り付け
最後に戸先のフロントプレートを取り付けます。
こちらも上下の向きがラッチの方向で決まっており、逆につけるとラッチを巻くようについているデッドボルト(鍵)がかからなくなります。
浴室ドア レバーハンドル取替え完了
これで浴室の樹脂レバーハンドルの交換は完了です。
今回ストライク(ラッチを受ける部分)は既存のもので問題なくかかり、コーキングの仕上げなどもかかっているのでそのまま交換せずに利用します。
取り替えてからしばらくの間は、ネジの緩みやガタつきがないか注意しておくようにしましょう。
レバーハンドル サイズの選び方と注意点
それでは交換用レバーハンドルの選び方の基準になる、部材それぞれのサイズと注意点について説明します。
①扉の厚み
扉の厚みによって取り付けできる商品が変わる場合があります。
住宅の建具は大体30㎜前後ですが、時々極端に分厚い建具などもありますので、念のため自宅の扉の厚みに商品が対応しているかを確認して購入するようにしましょう。
②バックセット(サイズ違いに要注意!)
戸先からレバーハンドルの芯までの長さをバックセットと言い、スムーズに交換するにあたり最も重要な選択要素と言ってもよいかも知れません。
バックセットは規格でサイズが決まっており、住宅用では50ミリ〜100ミリが一般です。
規格が合えばメーカーに縛られず色々な商品の中から選ぶことができます。
規格にはいくつか種類があるので、寸法をキチッと測って間違えないよう要注意です。
ホームセンターなどで購入する場合、可能であれば前もって自宅のハンドルと錠ケースを外してお店に持っていき、店の人に相談して合うものを一緒に選ぶのが一番間違いのない方法です。
③本体ビスピッチ
こちらはレバーハンドルのベース部分を固定するビス2本のピッチ(距離寸法)のことを指し、建具に元々開いている穴と合致する必要があります。
この寸法が違うと建具の穴を広げる必要が出てくるため、できるだけ同じ寸法のものを選ぶほうが無難です。
④フロントビスピッチ
建具の小口(戸先)に錠ケースを固定するビス穴のピッチ(寸法)です。
木製ドアの場合はある程度の融通がきくこの寸法は、アルミドアの場合は非常に重要となります。
木製建具であれば元の穴に埋木をしたり穴を開け直すのも容易ですが、肉厚が薄いアルミドアはタップ(ネジの溝)を切り直しても十分にネジが効かない場合があります。
現状と同じネジピッチのケースセットを選ぶか、今回のようにあらかじめ色々なピッチに対応できる仕様の商品を選んでおくと安心です。
ドアノブ・レバーハンドルの種類
ドアノブやレバーハンドルセットには今回のインテグラル錠、チューブラ錠、円筒錠と、大きく分けて3つの種類に分類できます。
昔ながらのアルミドアの多くはインテグラル錠を採用していますが、これを間違うとスムーズに取り替えができません。購入時にはフロントプレートに刻印されている品番をネットで調べ、互換をしっかり確認しておくようにしましょう。