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洗面室リフォームで多い床板腐食3つの原因
洗面室を含め水廻りと呼ばれるキッチンや浴室、トイレなどは水にまつわるトラブルがつきものです。
水漏れを早期発見できていれば補修も最小限で済みますが、気づかない内に被害が広がっていたケースも多く見てきました。
①洗面化粧台からの漏水
洗面台も古くなると水栓廻りから少しずつ漏水したり、髪の毛など異物が排水管を塞ぎオーバーフローしたりもします。
あとは給水管とつなぐ止水栓の不具合や、給水管自体が洗面台の背面で漏水を起こしている場合もあります。
②浴室入口付近の床板劣化
洗面室は浴室と隣接している場合が多く、洗面脱衣室とも呼ばれます。
入浴に際し、日常的に水に侵食された床のベニヤ板がベコベコとたわむのも洗面室ではよくあるケースです。
③洗濯機からの水漏れ
洗面脱衣室には洗濯機が置いてあることがが多く、①の洗面化粧台と同じく排水管の詰まりによるオーバーフローが最も多い事例です。
また壁から出ている洗濯機用水栓の接続部からの漏水もよくある事例です。
洗面室床リフォームの費用
修理方法で変わる床補修の費用
一般的な床の修理費用は、その範囲と方法によって変わってきます。
【洗面室床の修理にかかる費用の内容】
- 洗面台を脱着する水道職人の費用
- 補修する床の材料+大工の費用
- クッションフロア+表装職人の費用
漏水もなくとりあえず床を綺麗にしたい場合は、あまりオススメはしませんが洗面台を外さずDIYでクッションフロアだけ貼り替える方法もあります。
洗面台を一旦外して復旧するだけでも水道の職人の費用がかかる為、洗面台を新しく入替える時が床の工事をする一番いいタイミングです。
クッションフロアを貼っているキッチンやトイレの入替えでも同じことが言えます。
洗面所床板補修:腐食部のベニヤ板張替えと上張り修理
お家の方が気にされていた洗面所床の修理にかかります。
洗面所のトラブルにありがちな洗面台の給水管や止水栓には問題なく、排水管に少し水が漏れた形跡がありました。
古い洗面台の撤去と劣化原因の確認
洗面台を外してみると、洗面台下にはクッションフロアが貼られていませんでした。
以前クッションフロアを貼った際に洗面台の脱着はしなかったようです。
今回は日常的に洗面台から伝った水が直接床のベニヤ板に浸透し続け、クッションフロアが水分の蒸発を妨げたのも相まって床板を腐食させた事例です。
洗面室床の構造
木造在来工法の基本的な床の構造は、基礎の上に土台と呼ばれる105ミリ角の角材がアンカーボルトと呼ばれるボルトとナットで緊結(きんけつ)されており、同じく105角の大引きと呼ばれる角材で土台同士を3尺(910ミリ)ピッチで連結しています。
大引きは束と束石で受けられ、土台と大引きの上に床板を受ける為に45mm角の根太と呼ばれる横架木材が長手に尺(303mm)ピッチで入っています。
既存の床は根太の上に12mmのラワンベニヤを張り、クッションフロアが貼られていました。
昭和に建てられたお家では浴室や洗面室の水廻りに、腰あたりまでブロックを積んでいる場合も多々あります。
洗面室床補修に用意する材料
今回の洗面所の大きさは幅1240mm、奥行き1730mmです。
床補修の材料は最初に見た時に予測検討し、必要な木材や金物を段取りしておきます。
- 捨て張り用ラワンベニヤ12ミリ 3×6(サブロク)1枚
- 上張り用ラワンベニヤ9ミリ 3×6(サブロク)2枚
- 根太用米松45ミリ×45ミリ 3m 2本
- その他補足的に使う可能性がある木材
3×6(サブロク)とは約1820ミリ×910ミリのサイズで、昔ながらの尺貫法で3尺×6尺の意味合いです。
漏水して床が傷んでも根太は変色のみでしっかりしている場合がほとんどですが、念の為に入替や補強の準備はしておきます。
また材料に見合うビスもコースレットの65、75、90や使い勝手の良い細ビスの50・60位にコンパネビス等を準備しておきます。
床のDIY・リフォーム計画の注意点
リフォームの場合、多くの修理方法から状況と費用に合わせて最適な計画を選択しなければなりません。
今回9ミリのベニヤ板を上張り(2重張り)する事によって床の強度が増し、クッションフロアの仕上がりも良くなり安心です。
廊下からのドア下の敷居と浴室入口の敷居が等しく14ミリ〜15ミリ床から上がっていたので上張り提案ができました。
住宅用のクッションフロアが厚み1.8ミリ、専用ボンドの厚みも考慮して通常仕上がり3ミリで計算します。(実際はもう少し薄く仕上がります。)
3ミリに9ミリのベニヤ板で12ミリ、丁度敷居の角が丸まったあたりで納まります。
このお家の廊下は既に12ミリのフローリング上張りでリフォーム済みなので、敷居の段差は新しい洗面所の床とほぼ同じになります。
床の張替えは事前にこういった検討をして床板の厚み設定をします。
状況によっては根太やそれを受ける大引きを入替える提案が必要な場合もあります。
バリアフリーが推奨されて久しいですが、安心して生活する上で床のDIYやリフォームの計画は大変重要です。
洗面室床の劣化したベニヤ板撤去
クッションフロアをめくって床の状況を確認します
薄板を張り合わせて製造するベニヤ板は、水分を過度に含み単板同士の接着が切れてバラバラになっています。
床の一部分だけを切り取る場合は電動丸鋸(マルノコ)を通して撤去ラインを決めますが、今回は床板の元々の継ぎ目まで全て撤去するので必要ありません。
電動丸鋸は取り扱いに注意が必要ですが、根太や床下の配線、配管に気を付けて切り込みを入れると撤去も効率よく進みます。
丸鋸は充電式が電気線のストレスがなく便利です。刃のサイズは165、185等ありますが小リフォームやDIYでは125 mmが取り回しがよく使い勝手が良いです。
主に金槌とバールを使ってベニヤ板を撤去していきます。洗面台周りの床板は道具を使わなくてもめくれるほど劣化が進んでいました。
ベニヤ板を張り替える部分の撤去が完了しました。根太は変色のみでしっかりしていたのでそのまま使えます。
年数が経って漏水や湿気で錆びた細い釘はバールなどを使っっても抜けずに折れてしまいます。
根太に残った釘が出ていると、新しく張る板の不陸(段差)や隙間による床鳴りの原因になるので金槌(カナヅチ)や釘締め(クギシメ)と呼ばれる道具でしっかり根太の面より沈めておきます。
新しいベニヤ板を張る前に床下の掃除をします。木材が残っているとシロアリがつく原因にもなるので綺麗にしておきます。
ラワンベニヤ12mmの捨て張り工法
元々の床板はラワンベニヤと呼ばれるクッションフロアを貼るのに適した下地材です。
同じ12mmの厚さのラワンベニヤを撤去した部分に捨て張りしました。
今回はまだこの上全面にベニヤ板を一面に重ねて張る計画です。こういった工法の場合「ラワン12mmを捨て張りする」などと言われます。
捨て張り用の新しい板は、撤去せず残した板と数ミリ隙間が空く寸法でカットして張ります。
板同士を突き付けて張ると床鳴りの原因になります。
インパクトドライバーでコンパネビスを根太に対してしっかり止め付けます。
充電式インパクトドライバーも各メーカーから14.4V→18Vから、今では40Vまで発売され性能も上がっています。
バッテリーは高価ですが他の充電式工具と併用できるので非常に便利です。
コンパネビスは特殊なフレキ構造のビス頭で、板に食い込むように設計されています。
止めつけるピッチは@150、15センチ刻み程度で大丈夫です。ビスの効きによって本数を多くしたり調整します。
今回張替えをしない部分の床も同様にコンパネビスで再度ゆるみのないように止めつけておきます。
ビスをもむ際、墨つぼと呼ばれる道具で根太の中心に墨を弾いておくと間違いがありません。
配管部分は電動ドライバーに取り付けて使用する自在錐と呼ばれるキリで少し大きめに穴を開けて排水管を床上に出します。
板に対して平行に刃先がかするように少しづつ切り込んでいくのがコツです。
板厚の半分以上切れたら、今度は反対側からキリを入れるととベニヤ板がバラけずに穴を開けれます。
通常捨て張りの配管用の穴はゆとりを持って開けて、上張りできっちり数ミリのクリアランスで穴開けします。
ラワンベニヤ9mmを上張り
上張りはクッションフロアの仕上がりに影響する工程です。
住宅の壁やタイル、敷居はまっすぐきっちり長方形ではありません。差し金や定規を使って慎重にクセを拾って墨付けします。
ベニヤ板のカットを全て手で引くのは大変なので、電動丸鋸と手ノコを併用して切り合わせます。
微妙な仕上げは鉋(カンナ)や鑿(ノミ)を使います。
ベニヤ板を重ねて張る場合、できるだけ継ぎ目が同じ位置に来ないようにカット寸法でジョイント位置を調整します。
根太の芯に墨を弾いて、しっかりコンパネビスで下地に止め付けたら上張り完成です。
コンプレッサーがあればフロアタッカーで止めつける方法もありますが、感触を確かめながら止めつけるビス止めは安心です。
DIYに用意しておきたい大工道具
道具は持ち込みすぎても現場が手狭になりますが、圧倒的に仕上がりと作業時間に差が出ますので最低限は揃えておきたい所です。
丸ノコ用のLアングル定規
ベニヤ板のカットがある場合は是非用意しておきたい定規です。
基本は丸鋸のガイドに使用しますが、鉛筆でベニヤ板に下地の墨を引いたりする時にも便利です。
リフォームの場合、必ずしも矩手(90°)にカットして納まるものではありませんので、斜めに当てて使う場合もあります。
平行定規(巾定規)
こちらもベニヤ板のカットには必須です。丸鋸用の平行定規と呼ばれるこの道具は同じ幅で木材をカットできます。
長さが色々あり木材を落とす幅によって使い分けます。ベニヤ板のみならず下地木材の幅調整にも使える便利な道具です。