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玄関アルミ建具 石目調ガラスの破損
「玄関のガラスが割れた」との事で見に行くと、築40〜50年のお家です。
おっしゃるように玄関建具の石目調ガラスが1枚割れていました。
建具の石目(いしめ)ガラス
昔は住宅の窓ガラスにも趣向を凝らした模様入りガラスが多く存在しました。
今回の石目調ガラスもその一つで、大きめの凸凹パターン模様が入った独特の硝子です。
石目調ガラスにも種類がありましたが、今ではどのメーカーも製造していません。
因みに左の腰窓ガラスも、昔よく見た星形の模様が入っています。
こういった模様入りガラス割れ替えの場合、現在主流の型板(スリ)ガラスに交換するのが普通です。
玄関であれば、ガラスの種類が1枚だけ変わるのもおかしいとの事で4枚まとめて入れ替える場合もあります。
材料調達
「出来れば見慣れた石目調ガラスで入れ替えて欲しい」
お世話になっているご主人の希望で、古馴染みのガラス店をいくつか回って見ました。
昔ながらのガラス店
ガラス職人に相談すると「石目なんかもうとっくにないでー」
言いつつガラス置き場を探してくれます。
奇跡の1枚
「あっ!これ石目ちゃうか!」
なんと同メーカーの石目調ガラスが、今回割れ替えできる大きさで1枚見つかりました。
「よっしゃ!ナイス!さすが!」
早速玄関建具を引き揚げに走ります。
玄関建具ガラスの割れ替え手順
玄関建具の引き揚げ
通常ガラス割れ替え工事は、職人が現地でガラスをカットして入れ替え完了します。
今回は作業スペースや材料の問題もあり、大事をとって工場で割れ替え作業をすることにしました。
寸法とり
引き揚げた硝子建具を工場に持ち込み、職人が寸法を慎重に測ります。
あらゆる業種において肝心要の工程です。
ガラスカッターで加工
ガラス切り(ガラスカッター)と呼ばれる道具で寸法通りの大きさに加工します。
先端にダイヤチップや超硬のローラーが付いており、切ると言うよりガラスの表面に適度な傷を付ける道具で、最終的にはつけた傷のラインで割ります。
ガラス切りは決して簡単な技術ではありません。
ガラスカッターの角度、加える力、動かすスピード、全てが最適でなければガラスは望むラインで割れてくれません。
ましてや今回のガラスは古くてさくく(脆く)なってる上に、凹凸のある石目調ガラスです。
最後の石目ガラスにさすがの熟練ベテラン職人も緊張の面持ちです。
ガラスカッターを走らせ、ガラスを持ち上げて作業台に軽く落とすと「パキッ」と真っ直ぐ割れます。
今回は縦と横、2回のカットがありました。
「よっしゃ!ナイス!さすが!」
見事に割れ欠けなく寸法カットできました。
ガラスの入れ替え
建具本体のアルミフレームを一部分解して、割れた硝子を撤去して新しいガラスに入れ替えます。
建具のアルミフレームは何点かをネジで固定しており、古くて傷んだネジがあれば新しい物に交換します。
ガラスカッターで切ったままのガラスは「切りっぱなし」と呼ばれ、小口が鋭利で要注意です。
ガラス周辺にビート(パッキン)をつけて組み上げ完成です。
新旧まったく見分けがつかない石目調ガラスです。
正直、人生で一番嬉しいガラス割れ替えでした。
建具納品・調整|完了
ガラス割れ替えが完了した建具を再度運んで建て付けます。
コマの滑りや鍵が掛かるかも確認して完了です。
石目調ガラスはもう2度と見つける自信がなかったので、ベテラン硝子職人には大感謝です。
ご主人や奥様にも大変喜んでいただけました。
玄関建具3通りのリフォーム方法と費用の比較
玄関建具のリフォーム方法を紹介します。
①硝子の交換・割れ替え
今回紹介した事例です。
古い建具の場合は同じ硝子がない為、柄や色目が違うガラスでの交換になります。
玄関建具には複数枚のガラスが入っている為、一枚の交換で目立つのが気になれば全てのガラスを交換する事になりますが、費用面では一番安くつきます。
②カバー工法で玄関建具の入替
各メジャーなサッシメーカーが既存の開口枠を利用した合理的な玄関リフォーム用の商品を開発しています。
これは既存の建具は撤去処分して、残った既存の枠にアルミの枠を被せ、新しいアルミ建具を吊り込む方法でほとんどの場合、工事は1日で完了します。
建具のデザインや断熱性能で費用は変わりますが、最近では一番多いリフォーム方法です。
③新築用の玄関建具と枠に入替
新築用玄関建具にしかないデザインであったり、その他工事の納まりなどの理由で採用される方法です。
これは既存の建具と枠を両方撤去して新しいアルミ建具枠に入替える為、外部と内部の壁と床に補修工事が発生します。
住みながらの工事の場合は建具枠の入替まではなんとか1日で終え、壁と床の補修は引き続き後日になる場合がほとんどです。
外装や内装の工事と同時に採用することが多い方法で、補修が発生する分費用的には一番かかります。
まとめ
今回は玄関建具の話をしましたが、工事は状況と要望に見合った方法を選択することが大切です。
費用も考え方も施工会社によってそれぞれ差がありますので、しっかり要望を伝えた上で納得できる工事方法を選択するようにしましょう。